とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


それは文化祭の前日に起きた。

午前中まで授業があり、午後以降は準備時間となっており、昼食を取りながら作業を進める生徒も多かった。

俺達も例外ではなく、昼食を近くのコンビニに買い出しに行く事にした。


「とりあえず俺が立て替えるから欲しい物、紙に書いて。」


そう言って紙を回すとサンドイッチやおにぎりに紛れて、少年誌やらスポーツ新聞を書くヤツまでいて俺はキレそうになった。


「てめーら覚えとけよ!」


笑いながら見送られ、俺と虎太郎、寛二の3人でコンビニに向かった。


やはり大量過ぎて思いの外時間がかかってしまった。


丁度校舎に入って階段を上ろうとした時、物凄い爆発音が聞こえた。


「なっ…!?」

「爆発!?…どこだ!?」


1階の廊下は黒い煙でよく見えなかった。
隣に虎太郎が「科学室だ」とコッソリ言った。


「実験か何か失敗したのか?」

「昼休みに?ありえねーだろ…」


煙の中から数人がよろめきながら這い出て来た。


「おい!大丈夫か!?」


寛二が声をかけると咳き込みながら男子生徒は頷いた。


「…お湯が欲しくて科学室のバーナーを使ったんだ…そしたら…」


何かに引火した…?


幸いその場にいた男子生徒3人はかすり傷程度で済んだ。

だがこれはただの始まりに過ぎなかった。



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