とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
案の定、虎太郎は放課後になっても俺からベッタリ張り付いて離れない。
「…おい…早く部活行けよ…」
「部活なんかよりウリ坊が大事。」
「本当に彼女みてーだな…」
呆れて言い返す気にもなれない。
確か虎太郎は剣道部だったな…
そう思い出し、待ち合わせの時間にもまだ早いのを確認した。
「よし!丁度いいから剣道やろうぜ!」
そう微笑んで虎太郎に言うと、顔を赤らめて目を輝かせた。
「う…右京~~!!好きだぁ!!」
「だからキメーつってんだろーが!」
そんなやり取りを見ていたクラスメートは「また痴話喧嘩か…」と声を揃えて言うのだった。