とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~

廊下まで溢れるギャラリーに何事かと教員が駆けつけて来たのは12時頃だった。


「またお前らか!何をやってる!」

「センセーも挑戦しない!?」


そう言ってビラを渡された教員は蒼白になった。



「…怪我人出るんじゃないのか?」

「そんなヘマしねーよ。」


Tシャツ姿の俺はポケットに手を突っ込んだまま答えた。


「今にも怪我人が出そうだ…

このリンクは撤去しろ!」


教員の言葉に耳を塞ぎたくなるようなブーイングが沸き起こった。




そのブーイングに怯みつつも断固譲らない教員は声を張り上げた。


「ダメだ!

お前らまともな模擬店出せないのか!?

午後また見に来るから撤去しておくように!」


毎年聞くお決まりの台詞に舌打ちするクラスメート…



「結局今年もかよ!」

「まぁ想定内だったけど…」


あまり動じない俺達に「騒ぎを起こすな」と念を押して教員は去って行った。


「仕方ない。

“プランB”だ。」


橋本の指示でプランBに変更されたのだった。



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