とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
にっこり笑って手を差し出しながら忍が「ね?」と可愛く首を傾げた。
「忍…俺は~?」
「右京と虎太郎君も一緒に。」
「「え~…」」
「いいわよ?来ないなら私がこの子と回るから。」
楽しそうに笑うシャックスと忍は手を繋いで歩き出した。
「おっ…おい!」
「…忍さん大丈夫かな…」
「大丈夫だと思いますよ?」
「その根拠は?」
「シャックスは純粋に子供ですから。
忍様と一緒なら機嫌を損ねる事はないでしょう。」
潤はそう言ったがやっぱり心配なのには変わりない。
というか、完全にシャックスに忍を取られた。
「虎太郎がシャックスのご機嫌取りに失敗したのが原因って事だよな…」
「う…だってアイツすげーわがままなんだぜ?」
「見ればわかる。追いかけるぞ。」
潤も加わって3人で忍達を追いかけた。
「虎太郎、どこにいるかわかるか?」
「2階の端だな…2年の男クラか」
2年の男クラは今年はお化け屋敷じゃなかったか?
「忍怖いの駄目なんだよ…」
「シャスが一緒だから大丈夫だろ。
それよりシャスが逆に脅かしてそうな気がしてならない…」
「ありえますね…」
2年の教室の前で入り口のヤツを捕まえて問いただした。
「小学生位の子供と女の子来たか?」
「さっき来ましたよ~」
「もう出て来ると思いますけど…」
俺達が出口から入るとすぐに小さい悲鳴が聞こえた。