とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
「ゴウは顔が怖いけどいいやつだよ。心配ない。」
「さらりとひでー事言うな…」
一応フォローのつもりだったがあまり効果なかったみたいだ。
「タカ電車だろ?行っていいぞ。」
「あ…はい。ありがとうございました!」
そそくさと逃げるように去って行くタカユキに手を振ってゴウに視線を戻した。
「で?昼間に何してんだ?」
「最近この辺りで通り魔が出るらしくてな。
昼間だろうが夜だろうが構わず襲われるって言うから、気になってな…」
「昼間も?随分肝の座った通り魔だな…」
「だろ?どんな奴か見てみたいじゃねぇーか。」
普通は“捕まえやる”とか言うものだろうが、ちょっと思考回路がズレてるゴウは好奇心で瞳を輝かせていた。
「ミイラ取りがミイラになるって事もあるからな…
あんま首突っ込むなよ?」
「誰に言ってんだ!俺があるわけねーだろ。」
だが昼間も犯行におよぶ通り魔ならアッサリ捕まるかもな…
「そろそろ行くわ。通り魔見つけたら俺にも教えてくれ。」
「おぅ!写メしてやんよ!」
ふざけて携帯を振り回すゴウに呆れながら手を挙げてその場を後にした。