とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺の微妙な変化に気付いた忍が焦って腕を引いた。
「右京!冷静に!」
「大丈夫だ。…たぶん…」
忍を背中に隠すように立つと男を正面から見据えた。
「チャラいか…
確かに俺の容姿はチャラいよな…
自分でもそれは理解してる。
…だが初対面のお前に言われる筋合いはない。」
「早川君?こう見えても彼はチャラくないんだよ?」
早川と呼ばれた男はキッと俺を睨むと「騙されないぞ」と声を張り上げた。
「どうすれば信じるんだ?」
「お前に何を言われても信じない!」
頑として引かない早川に俺は溜め息を付いた。
「忍…お前が言えばいいんじゃないか?」
「それで済んだら困ってないわよ…」
確かに都合のいい事しか信じないタイプかもしれない…