とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
“オカルト同好会”
近くの模擬店を廻って色々買い込んだ忍と外の休憩スペースにある席に陣取って話しを切り出した。
「あいつ何だったの?」
「早川君でしょ?もう最悪…」
忍の話だと、夏休み明け辺りから付きまとわれ手を焼いていたらしい。
彼氏が居ると伝えても「一緒にいるところを見た事ない」と断固として信じなかったとか…
「で、今日の後夜祭のダンパにしつこく誘われて逃げ出したかった訳!」
「なるほど。
しかし、あれは凄いな…
あんな疑り深いヤツ初めて見た。」
「ホントよね…
しかも“チャラい”だって…
…ぷ…」
「…今思いっきり笑ったよな?」
「だって、あの時の右京の引きつった顔が…クスクス…」
「みんなしてひでーよなぁ~
師範には“不良”って言われた。」
「言わせておきなさいよ。
私はちゃんとわかってるから!」
そう慰めるとたこ焼きを一つ串に刺して俺の前に突き出した。
俺がそれをパクリと食べるのを見て微笑むとパンフレットを取り出した。
「そういえば“オカルト同好会”に興味あったんだよね?
今年はどこかなぁ…」
そう言ってパンフレットの見取り図をじっと見つめた。
「今年も黒装束を着たメンバーが気味の悪い展示をしてるはずなんだけど…」
「黒装束?…あんな感じの?」
たまたま目の前を通り過ぎた魔法使いみたいな格好の男を指して聞いた。