とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺は隣を歩く忍の手を握った。
驚いたような忍の顔に微笑んだ。
恥ずかしそうにハニカんだ忍が可愛かった。
「忍、覚えてる?中学の時校舎裏でさ。
忍に告白したヤツを俺が吹き飛ばした事。」
「フフフ…覚えてる!あの時の右京かっこよかった…」
「忍あの時俺を呼んだよな。大声でさ~…恥ずかしかった。」
かっこよかったと言う言葉に少し照れた俺は、思ってもない事を口走って忍をからかった。
案の定真っ赤になる忍を見て自然と頬が緩む。
「うそ。めっちゃ嬉しかった。」
俺は少し屈んで忍の耳元で囁く様に小さな声で言った。
「…私も嬉しかった。本当に来たからビックリしたけど。」
立ち止まり忍を見ると少し潤んだ瞳で俺を見上げた。
俺は忍の顎にそっと手で持ち上げ顔を近づけた。
「いつでも行くよ。忍が呼んだらどこでもすぐに行ってやるから...」
そう言って俺は忍の唇ににキスを落とした。