とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
豪勢な夕飯が出来上がって全てを並べ終えた時にはすでに師範は出来上がっていて、忍はまた怒り出した。
そんな忍を師範は笑い飛ばしてさらにガンガンビールを飲みまくった。
「お前らも飲め!今日くらいいいじゃろ~」
ふらつく手元でグラスにビールを注ぐ。
忍は困った様に笑いながらそれに口を付けた。
あまりビールは好きじゃないといいながらも忍もかなり飲んでいたが、フラフラになることはなかった。
意外にもかなり酒が強いらしい...。
「強いな...」
「血筋じゃない?お父さんも強いし。」
「そうなのか。忍が酔ったところ見てみたい気もする。」
「そう簡単には酔わないわよ?って言ってもそんなに飲んだ事ないけどね。」
気付くとまだ8時だと言うのに師範は酔いつぶれて寝てしまっていた。
仕方ないのでいつもの様に運んで布団に寝かせてやった。
俺は寝ている師範の枕元で両手を合わせると、忍はお腹をかかえて笑っていた。
「ケーキもあるんだけど、食べる?」
「もらうよ。」
忍は嬉しそうにケーキにローソクを立てるのを見て、俺はライターでそれに火をつけて部屋の灯りを消した。