とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
息を切らせながら真上からニヤリと笑う忍…
「な…なに今の…護身術の使い方違くね!?」
「覚悟しなさい…たっぷりお返ししてあげる。」
「あ…ちょ…っちょっと待った!
しの…っ…ヤバいから、それ…っ!!」
いつも以上に激しい忍に完全に腰砕け状態にされた。
どこで俺は忍のドSのスイッチを入れてしまったのだろうか…
萎えては立たされを繰り返し、3回戦目くらいで俺は忍にノックアウトされたのだった。
「すげ~よ忍…ありえない…」
「もう!やめてよ、そういう言い方!」
俺の胸板の上で暴れる忍を抱いたまま横を向くと翼を仕舞った。
「腰と翼がヤバい…」
部屋中に散らばった漆黒の羽根をひとつ拾い、忍は仰向けのままそれを眺めた。
「綺麗…」
「…お前がもいだ羽根だぞ…」
「失礼ね!もいでないわよ!」
笑いながら忍はまた視線を羽根に戻した。
「貰っていい?」
「そんなの欲しいの?」
「うん、欲しかったの。」
「それよりなんか腹減った。」
「あ!ケーキ食べよ!」
出来れば動きたくないが、仕方なく下だけ履いてベットから立ち上がった。
ヨロヨロ歩く俺を見て忍はシーツにくるまったままクスクス笑っていた。