とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


「右京だって弱いわけじゃない。

そう簡単にやられないでしょう?」

「…ルシファーは元・熾天使だ。

地上界ではサタンとも呼ばれてる。

邪悪で力が強大過ぎて堕天させられた。

俺が番人をしてる時、アイツの手下を何人もタルタロスに送った。」

「たるたろす?」

「地獄の事です」


忍が息をのんだのがわかった。


「そこで私の出番です!」


その場の空気を変えるように虎太郎は明るい声で切り出した。


「ウリエル様の覚醒をお手伝いします。

私だけではどうにもなりませんからね~」


そう言って短髪を掻いた。


それまで黙っていた師範は虎太郎を見て口を開いた。


「横文字ばかりでよくわからんが、お前さんもカラス天狗なのか?」

「いえ、私はただの天狗ですよ。」


そう言ってニッコリ笑った。
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