とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
加速する球体に虎太郎は何か叫びながら両手を突き出した。
「きゃぁ!!」
衝撃波を受け忍が尻餅をついた。
…突き出された虎太郎の両手からわずかな煙が上がった。
「…すまん、ハニエル。
…手元が滑った。」
「わざとですよね!?
今の絶対わざとですよね!?」
涙を目に溜めた虎太郎がガクッとうなだれた。
「小規模な技なら使えそうだ。
あとは“右京”次第か…」
“俺”は無表情のまま溜め息をついた。