とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
今は止めておけという俺の意見を無視して「任せろ」と自信たっぷりのウリエル。
はぁ…もう好きにしてくれ…
忍の部屋をノックすると中から返事があった。
「忍。話がしたい」
「私はしたくない!」
「気分を害したのであれば謝る。
開けてくれないか」
「なぁ~にが“謝る”よ!
しばらく近寄らないで!」
忍の尋常じゃないキレ具合に眉を寄せるウリエル。
「…解せぬ…」
『だから言ったろ?』
俺は呆れて溜め息をついた。
『さっきの状況、理解してるか?
お前忍を襲おうとしたんだぜ?』
「人聞きの悪い事言うでない。
俺様は真実をだなぁ…」
『忍にとってはそうなんだよ!
今じゃウリエルは忍の中の“危険人物リスト”ベスト3入りだ!!』
「な…なんだと!?」
急にオロオロしだすウリエルが面白くて吹き出しそうになった。
『明日になったら少し落ちつくから、自分でなんとかする。
それより悪かったな…
俺もお前の事嫌いじゃないぜ』
そう言うとウリエルが小さく“そうか”と言うと俺の中に戻って行った。