とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
さすがに今回は断りれないだろな…
気が重いが忍に言わないと…
『よい心掛けだな』
頭の中にウリエルの偉そうな声が聞こえた。
「チッ…他人事だと思って…」
放課後、帰ろうとしたところで担任に捕まった。
「黒崎、進路は決まったか?」
「いや、まだ全然。」
「そうキッパリ言われると、こっちが不安になるな…
学力はあるんだし、進学したらどうだ?」
「うーん、もう少し考えてみるわ」
トボトボ廊下を歩きながら進路の事を考えた。
進学してまで学びたいものも思いつかない。
『悩まなくとも、いずれ向こうからやって来る。』
「なんだ、それ。
運命は決まってるって事か?」
『違う。運命は自分で切り開いて手に入れるものだ。』
「じゃあ、なんだよ」
『“宿命”だ』
ウリエルの言葉に立ち止まった。
『お前は俺様の転生だ。
休暇とはいえ、道はひとつしかない。』
「…納得いかね~な」
『納得する必要はない。ただ受け入れればいい。…それだけだ。』
その“宿命”はどんなものなのか…そんな事を思いながら家路についた。