とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


大学に付くと駐輪スペースにバイクを停めた。

ヘルメットを外し銀髪を掻き上げるとキャンパスを進ん行く。


「意外と広いな…」


確か専攻は“哲学”だっけ…


「文学部どこだろう…」

歩きながら忍に到着のメールを入れた。

すぐに返信があり大学の西側にいると言われた。


「つかメール返信早過ぎ…」


忍の事だから携帯を握り締めながら授業受けてるんだろう。
その姿を想像して笑えた。


キャンパスを見て周りながら西側に向かう途中で、ふとある事に気付く。


『右京、皆に見られている…』


ウリエルも気付いたらしい。


「だな…ここの学生じゃないし、目立つんだろう」


よくある事だ。
銀髪の長身でグリーンアイだし、柄も悪いだろ。
師範にはチンピラだと言われたっけ。

視線を気にしないのが一番だ。


奥にカフェテリアが見えた。
そこで忍を待つ事にした。


「ねぇ、ここ空いてる?」


ウリエル並みの無表情でどうぞと言うと、二人組の女の子が隣に座った。


「キミ見ない顔だけど、ここの学生?」

「いや。俺まだ高校生だし…」

「えぇ?!見ない!
てっきりモデルさんかと思った。

んじゃ見学?私達案内してあげようか!」

「彼女に案内して貰うからへーき。」

「だれだれ!?学部は?」

なぜそこまで教えないといけない…


サングラスの奥で睨んでから視線を入口に向けると、忍が入って来たのが見えた。


「彼女来たから行くわ。」


そう言うと席を立った。

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