とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
合コン
あの補習最終日の帰り間際に「明日、合コンな!」と言われた。
はぁ…気が進まない。
ほぼ毎日欠かさない夜稽古も雑念があるのが自分でも判る。
頭を冷やす為、裏庭で木刀を振るう。
『人間は面白いな…
気持ちに左右されて色々な顔をする。
時々俺様も羨ましくなる。』
「虎太郎だって喜怒哀楽激しいじゃないか。
感情を表に出そうとしないのはウリエル自身の問題だ。」
『俺様も…お前の様になれるのか』
「なれるさ。俺はお前で、お前は俺だ。」
『ククク…神の使いに説教とは…愚か者だな。』
「お前は堕ちた。
元・神の使い…だろ?」
そう言った俺に珍しく“俺”は笑ったみたいだった。
ウリエルと話していたら自分の悩みがちっぽけな事に気付いた。
「あ~あ!くだらないよな、俺…」
『…でも…嫌いじゃないぞ』
ーーー明日は早く帰って忍と過ごそうーーー