とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺の日常 “学校”
俺は走る。
ただ風を切って前へーー
「はぁはぁ…風になれたらいいのにな…」
一休みして肩で息をしながらボソッと呟いて時計に目をやる。
「やべー!!また遅刻じゃんか!!」
こうなったら最後の手段!!
近道、近道~…
神社を横切り森を抜ければすぐ裏門だ。
いつもなら開いてるはずの鍵が今日に限ってしまっているのに気付いた。
「…誰もいねーよな…」
辺りを見回し人気の無いこと確認し、門の前で両手を地面につき呼吸を整える。
次の瞬間…足元から風が巻き起こり体が軽くなった。
「いける!!」
思いっきり跳躍すると門を飛び越えた。
着地と同時にチャイムが聞こえて来たのでそのまま地面を蹴って走り出した。
そのまま一気に教室まで駆け抜ける…
ツイてない事に俺の教室は男子クラスの為一番端にある。
長い廊下を猛ダッシュし勢いよくドアを開けた。
ーガラガラ!!
『『『残念!!ウリ坊、アウト~~!』』』
クラスメートたちの声に今朝もガクっとうなだれていつも通りの1日がスタートしたのだった。