とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
朝稽古で師範にコテンパにされた後、シャワーを浴びてから台所で飲み物を飲む。
冷蔵庫に凭れながら、朝食の準備をしている忍の後ろ姿にしばらく見とれる。
視線に気付いたのか忍が振り返った。
「…なに?どうかした?」
ちょっと首を傾げた仕草が可愛い…
「忍に見とれてた。」
そう微笑むと少し頬を赤くした。
「忍…」
「なによ」
「キスしたい」
「なっ…何言ってんのよ!
邪魔だからそこどいて!」
はぁ…今日はツンの方か…
「夕方から私いないから、夕飯作っておくね~」
「え?俺もいないぜ?」
「んじゃ、おじいちゃんだけか…」
「ワシも今日は宴会じゃ」
珍しく揃って留守か。
「忍、帰る時電話して。
迎え行くからさ。」
要らないと言う忍を無理やり説き伏せた。