とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



しばらくして戻った俺達をみんなが冷やかした。


「ウリ坊、公共の場で盛るなよ!」

「悪い悪い、忍が激し…いって!!」


俺達の冗談に忍は真っ赤になって俺をど突いた。

「それよりお前も聞いたことないか?」

「何を?」

「“都市伝説”だよ」


“都市伝説”…


「どんなのがあるんだ?」

「最近あちこちで聞くようになって、色々あるんだよ~」

「今話してたのは“神隠し”の噂なんだけどさ…
女子大生がここ最近連続して行方不明になってるんだ」


女の子達は“怖いよね~”と口を揃えた。


「最初は誘拐の線で捜査してたらしいんだけど、噂だとその線は否定されたとか…」


「なんでだ?」

「足跡が女子大生のものしか残ってないんだよ…」


「…」


虎太郎と目が合った。


「私もそれ聞いた事ある!
いなくなった状況も酷似してるらしいよ?」

「そうそう!
携帯で誰かに呼び出されて出掛けたきり帰って来ないんだよね~」

「あ、でも最初の被害者だけは犬の散歩に行ったまま戻らなかったらしいぜ?」


さすが情報化社会。
噂とは恐ろしいもんだ…

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