とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
それから“首なしライダー”が出たとか“赤いマント”がどうとか…
ひとしきり都市伝説の話題で盛り上がり、怪談話をみんなでしよう!と言い出す始末…
「右京の家にしようぜ!」
「なんでウチなんだよ…」
「お前んとこの道場だったら騒いで大丈夫だろ?」
「…道場の使い道を間違えてるぞ…
忍なんか言ってやれよ。」
急に振られた忍はケロッとして“いいじゃん”と言った。
「おじいちゃんに聞いとくよ。」
「なんで忍ちゃんが?…」
「だって右京と忍さん家一緒だもん」
虎太郎の言葉に固まる一同…
「どーゆーことなの!?忍!」
「お前ら不純過ぎるぞぉ!」
説明するのも面倒だが忍が焦って居るので仕方ない…
「俺達“いとこ”なんだよ。
ちょっと複雑なんだけどな」
俺は師範の次男夫婦の養子にあたる。
子供が出来なかった為、小さい頃よく可愛がってもらった。
だが、すぐに事故で他界してしまったので師範が俺の親みたいなもんだ。
忍の両親は海外に住んでる為、忍は日本の師範の家でずっと暮らしている。
「って事は血は繋がってないの?」
「繋がってねぇーよ、俺私生児だし。
あの師範の血縁からこんな銀髪生まれね~だろ」
軽く笑って言う俺にみんな驚いていた。
「ウリ坊に暗い過去があったなんて想像付かないな…」
記憶喪失のうえ、義理の両親とも数ヶ月しか暮らしてなかったので、暗い過去でもないんだが…
「知りたい…お前のこともっと知りたい!」
「寛二…虎太郎に似てきたな…
きめーから止めろ。」
「まぁ“黒崎家”の話は置いといて!
来週右京の家に集合でいいだろ?」
そう切り出した虎太郎に助けられた。
さすがフォローの天才!