とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
帰る頃になって“神隠し”の話を思い出して怯えた女性陣をそれぞれ送る事にした。
「んじゃ責任を持って各自姫を送るように!」
「…右京くんが一番心配…」
「だな…お前が一番キケンだわ…」
陸の言葉にニヤリと笑ってバイクのエンジンをかけた。
そばに居た忍を持ち上げて後ろに乗せて自分も跨った時だった。
「おい!!」
低い声が聞こえて振り向くとチャラそうな男達が俺を見ていた。
「右京、さっきの…」
「…あぁ、アイツらか…」
バイクのスタンドを片足で下ろし、ゆっくり自分だけ降りて男達に近づいた。
「…まだ何か用?」
「…お前名前は?」
「は?名前?“黒崎”だけど…」
「…黒崎…ウチらのチーム入らねーか?」
「なんだそれ。勧誘か?興味ねぇよ。」
フッと笑って男達を見た。
「それより、もう俺の女に手出すなよ?」
「だっ…出さねぇって!
もうお前とはやり合いたくねぇよ!」
焦る男に口角をちょっと上げた。
「男はチームsevenのガクだ。
気が変わったらいつでも言ってくれ。」
「それはないと思うが覚えとくよ。」
そう言って引き返した。
心配そうに見ていた虎太郎以外のみんなが声をかけて来た。
「絡まれたのか!?」
「まぁそんなとこ。
俺とオトモダチになりたいらしい…」
そう言うとホッとしたようなみんなに“またな”と手を上げて家路についた。