とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
シャワーを浴びながら悩む…
俺忍の部屋行ったら絶対ヤバいよなぁ…
「…初めてな訳じゃないのに、何緊張してんだか…」
らしくない自分に苦笑する。
忍相手だと余裕がなくなる…
答えが出ないまま風呂を出て台所に入った時、家の電話が鳴った。
電話から聞こえて来た上機嫌の師範の声に萎える。
「…ジジィ、なにやってんだよ!」
「ちぃーと飲み過ぎただけじゃ!
ゲンさんの所に今日は泊まる事にした!」
「ゲンさんって…傘下の玄武師範代の所か?
あんま迷惑かけるなよ?」
師範も元気だなぁ…
溜め息を付いて忍の部屋まで行くと、ノックをしようとしてその手を止めた。
「…」
深呼吸をしてからドアを叩く。
「忍?入るぞー」
ベッドの上で布団を被った忍と目が合う。
「右京?」
「今師範から電話でさ。
飲み過ぎたから玄武さんとこに泊まるって。」
「…そっか…分かった。」
「…っていうか…なんで明るい部屋で布団被ってるの?」
「べっ…べつに何でもないわよ…」
そう言いながらまた布団を被ってしまった忍に近づいた。