とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


シャワーを浴びながら悩む…

俺忍の部屋行ったら絶対ヤバいよなぁ…


「…初めてな訳じゃないのに、何緊張してんだか…」


らしくない自分に苦笑する。
忍相手だと余裕がなくなる…



答えが出ないまま風呂を出て台所に入った時、家の電話が鳴った。

電話から聞こえて来た上機嫌の師範の声に萎える。


「…ジジィ、なにやってんだよ!」

「ちぃーと飲み過ぎただけじゃ!

ゲンさんの所に今日は泊まる事にした!」

「ゲンさんって…傘下の玄武師範代の所か?

あんま迷惑かけるなよ?」

師範も元気だなぁ…






溜め息を付いて忍の部屋まで行くと、ノックをしようとしてその手を止めた。


「…」


深呼吸をしてからドアを叩く。


「忍?入るぞー」


ベッドの上で布団を被った忍と目が合う。


「右京?」

「今師範から電話でさ。
飲み過ぎたから玄武さんとこに泊まるって。」

「…そっか…分かった。」

「…っていうか…なんで明るい部屋で布団被ってるの?」

「べっ…べつに何でもないわよ…」


そう言いながらまた布団を被ってしまった忍に近づいた。



< 82 / 405 >

この作品をシェア

pagetop