とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
あれから忍は俺の彼女になった。
でも…
「…忍?」
返事の代わりに寝息が聞こえた。
「…ったく…」
今もあの日と同じように俺の腕の中で眠る忍。
ゆっくりベッドに寝かせ、自分も隣に潜り込んだ。
「俺の気も知らないで…
…なんでこんなに可愛いんだ?」
忍の寝顔を見ながら、その頬を撫でる。
ちょっと身じろぐとモゴモゴ何かを言っている。
…寝言か?
「どした?」
「…右京…」
「ん?」
「…右京…だいすき…」
…!?
ビックリして忍を凝視する。
やっぱり寝てる…よな…
忍の寝言は俺が一番欲しかった言葉…
そして今まで一度も言って貰えなかった言葉…
「…俺も大好きだよ…」
そう言って寝ている忍を抱きしめて俺も眠りについた。