とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
家に帰ると忍はバイトに行って居なかった。
居間のテーブルに昼御飯とメモがあり、帰りは6時頃になると書かれていた。
食事の片付けをしていると虎太郎からメールが来た。
駅で待ち合わせという内容を見てOKと短い返信をしてから用意を始めた。
ついでに忍を帰りに拾って帰ろと考えて再びバイクで出掛けた。
駅に到着して虎太郎の姿を捜す。
知らない女の子と話す虎太郎が見えた。
俺に気付くと手を振る虎太郎にだるそうに睨んだ。
女の子に何か言ってからニコニコこっちに走って来た。
「…またナンパしたんじゃねーだろーな…」
「してねーよ!あっちから声かけて来たんだって!
デートだからって断った。」
「まさかと思うけど、デートの相手って俺か?…」
ガシッと首に手を回して当たり前!と当然の様に答えた。
「んな事より…昨日の都市伝説の噂、気にならねーか?」
「やっぱその事か。
どう考えても臭うよな…」
「ルシファーが動き出したのかもしれない。」
そう珍しく真剣な表情を見せる虎太郎に頷いた。