とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
昨日の“神隠し”の話を思い出しながら考える。
「狙われるのは女。
しかも現場に足跡は被害者のものだけ…」
「最初の被害者は犬の散歩中だったんだろ?
それが真実なら“神隠し”の犯人はなんだと思う?」
“足跡がない”と言う事は足を地に付けていなかったと推測出来る。
尚且つ“犬”と見間違ったのなら…
「…“グリフォン”か…」
虎太郎がボソッと呟いた。
使い魔“グリフォン”は大型犬ほどの大きさ…
しかも羽を持っていて、地に足を付けていなくてもおかしくない。
「ありえるな。
そうだとすると、問題は誰の“グリフォン”か…だな。」
「“グリフォン”を操れる悪魔は限られてるが…
特定はまだ難しいな…」
情報が足りなすぎる。
しかもターゲットが女だけとなると、目的はなんだ?
考え込んでいると、数台のバイクが通り過ぎた。
「…いい事思いついた」