群青色のそら
いつも見るショウのあどけない表情は消え、少し寂しそうでどこか大人びた、そんな目をしていた。
青白い月明かりに
照らされた瞳と、視線が交錯する。
この目には全て見透かされている。
そんな気がした。
「オレだって‥‥
恐いんだよ」
ショウはそう言って、目を逸らす。
エルの涙は、
いつの間にか止まっていた。
―ショウも同じ。
そう解っただけで、
こんなことで悩んでいる自分が、馬鹿馬鹿しく思えた。
気分がすっきりした。
ただの自己満足にしか過ぎないことだが、それでも心が軽くなった。
「‥‥ショウ」
「ん」
「ありがとう」
「うん」
「そしてごめん」
「‥うん」
「‥‥戻ろっか」
ショウは立ち上がって、エルに手を差し伸べた。
「‥‥うん」
エルはゆっくりとショウの手を取った。
月が照らして出来たふたつの影が、
だんだん遠くなり、やがて消えていった。