群青色のそら



――――




「エルおはよ」



「おはよぉ~‥‥」


二人は、昨日のことなどなかったように、いつも通り過ごしていた。
今は朝食を終え、部屋に戻るところだ。


「なに、寝不足?」


「‥‥うん、まあね」



エルは大きな欠伸をひとつする。


(‥‥よかった)

いつも通りで。

いつもと同じように話しかけてくれて。

昨日、あんなことをショウに言ってしまって、正直、少しギクシャクすると思っていた。


でも、いつもと変わっていない。


そのことに、深く安心した。





「ボーッとしてるとぶつかるよ」


突然、後ろから声がした。



この声は‥‥
と、思って振り返る。

そこには、ニコニコと笑顔のユウが立っている。



(‥‥やっぱり)


一体この男はいつまで猫を被っているつもりなのだろう。


もうこの男の本性は知っている。



昨日、本当の自分を知られることが恐いから、偽りの自分を出していると、ショウは言っていた。

< 17 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop