群青色のそら
――――
「エルおはよ」
「おはよぉ~‥‥」
二人は、昨日のことなどなかったように、いつも通り過ごしていた。
今は朝食を終え、部屋に戻るところだ。
「なに、寝不足?」
「‥‥うん、まあね」
エルは大きな欠伸をひとつする。
(‥‥よかった)
いつも通りで。
いつもと同じように話しかけてくれて。
昨日、あんなことをショウに言ってしまって、正直、少しギクシャクすると思っていた。
でも、いつもと変わっていない。
そのことに、深く安心した。
「ボーッとしてるとぶつかるよ」
突然、後ろから声がした。
この声は‥‥
と、思って振り返る。
そこには、ニコニコと笑顔のユウが立っている。
(‥‥やっぱり)
一体この男はいつまで猫を被っているつもりなのだろう。
もうこの男の本性は知っている。
昨日、本当の自分を知られることが恐いから、偽りの自分を出していると、ショウは言っていた。