群青色のそら

もちろん、エルもその中の一人だし、ショウの言っていることは正しいと思う。





しかし、ユウは違う。“偽りの自分”が、どこか嘘っぽい。


嘘っぽいと言っても、ユウは笑ったり、怒ったり、泣いたりの感情は表面上に出している。




先日、エルに見せた感じの悪い一面も、
あれが本当の自分と思い込ませるためだけのように思える。


だから、余計に何を考えているのか、分からない。




苦手とは言いつつも、エルにとって、とても興味深い人間の中の一人だ。




「‥‥なに」



「へ?」



気がつくと、ユウは不機嫌そうな顔でエルを見ていた。





(えっ‥‥あたし、ずっとユウのことガン見してた!?)




「えっと‥‥
なんでもない!!
じゃあね!!」





「‥‥そ。
じゃあ」




ユウはそれだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまった。



エルは考え事をすると、自分の世界に入ってしまうことが多い。



その為、こういう事もしばしば。



深く追及されることも何度かあったので、少し安心した。



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