群青色のそら


***


いつの間にか雨が上がり、空には綺麗な夕日がかすかに見える。

ソファに半分埋めていた顔をあげる。


そうだ、寝ちゃったんだ。


隣を見ると、ショウも眠っている。


……もう夕食の時間。

寝ぼける目を擦りながら、エルは体を起こした。



―コン、コン

ノックをする音が聞こえる。

「はい、どうぞ」



―ガチャ

「夕食の前にホールに集まれってさ」

エルは笑顔で答える。
「そうなんだ。わざわざありがと」


彼も笑って答える。

「お互い様」

続いて、ボソッと聞こえる。

「……何回もノックしてんのに、気付くの遅ぇし」


「……」



「あ、今の何でもないから。んじゃ」


彼は笑顔で出ていった。


「……」


……めっちゃ聞こえたんですが。

……やっぱり苦手。

彼はエルよりも2歳年上で、あまり話したことはない。

だけど、笑っていたり、凄い恐い顔をしていたり、よくわからない人だ。


確か名前は、ユウだったはず。

……うろ覚え…。

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