I LOVE YOU
目を覚ますと隣にまもるさんの姿はなかった。代わりに部屋の外から音がしたので、服を着て寝室から出た。
音はキッチンからしていて、同時に朝ごはんの匂いが漂ってきた。
「おはよう…」
キッチンから顔を覗かせて言えば、まもるさんは振り返って、おはよう、と言った。
「朝ごはん、もうすぐ出来るからね」
そう言ってまもるさんは料理の方へ体を戻す。
まもるさんの広い背中を見ていたら、飛び込みたくなったので飛び込んでみた。
その時、あの夢を思い出して私はまもるさんの背中から顔を離した。
「…どうしたの…?」
案の定、まもるさんは驚いて振り返った。
(間違いではないかもしれない…)
「まもるさん…こっち向いて…」
不思議そうに首を傾げながらも、体をこっちに向けてくれた。
私はまもるさんの体に抱きつき、まもるさんに言った。
「ギュッてして…」
まもるさんは言う通りに抱きしめてくれた。もっと強く、と言えば更に強く抱きしめる。
目を閉じてあの夢の中の感覚を思い出す。
間違いじゃなかった
(あのときと一緒だ…)
「あなただったのね…」
「え…?」
「ううん、何でもない…」
私は背中に回した腕に力を込めた。
あの夢の中の温もり離さないように。