I LOVE YOU


「あんた、オヤジ好きなの?」


「とんでもない!!」


私はおもいっきり首を横に振ります。


「…私は、オヤジ好きじゃ、ないと思う…」


「思う…?」


亜美ちゃんは今度は携帯から目を離して、私を見ます。


「………あの、…初めて人を好きになったから…」


答えて何秒か間が空きました。私が目だけ動かして亜美ちゃんの顔を伺うと、口をだらしなく開けたままの彼女がいました。


「嘘でしょ」


「ほ、本当だよ、」


本当に事実なんです。私は生まれてから一度も"恋"という経験をしたことがなかったのです。


だから、鈴木先生は私の初恋の人なのです。



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