I LOVE YOU


「ああ…どうしたものか…」


「んな、深く考えんなよ。現実になるぞ」


「マジで!?」


「いや、冗談だけど」


「やめろっ!!今冗談通じねーんだよ!!」



あるカフェにて。


僕は友人のヒロと向かいあって座っていた。



「彼女がそういう人だってことは前からわかっていたことだろう?」


「そうだけど…。前の方が愛嬌があったよ」


「うーん…。あ。1つだけ確かめる方法があるぞ」


(何!?)


「ヒカル、来週の今日が何の日か知ってる?」


ニヤリと笑ってヒロが言う。


「えーと…何?」


「馬鹿、バレンタインデーだろ。彼女だったら彼氏にチョコをあげないわけがない」


ヒロは最後に親指をつきだした。なるほど、と僕は思う。



(そうかあ、バレンタインかー!!…いや待てよ)


「レイがチョコをくれるなんて…ましてや作るなんて、想像できない…」


(実際、手料理食べたときないし。俺作ってるし。)


そんなことを考えていたら、ヒロから2度目の馬鹿野郎発言。


「彼氏が彼女を信じなくてどうすんのよ。愛がなんだとか言う前に、まずそこからなんじゃないのか?

もしかしたら、お前のその気持ちが彼女に伝わって、今みたいな状態になってるんじゃないの?」



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