I LOVE YOU
「…!?」
私の視線に気づいた佑介はチラリと目で見ただけで、何事もなかったかのように友達と話し始める。それと同時に手を握られた。
「…私、トイレに行ってくる…、」
バッと、佑介の手から無理矢理引き剥がし、私も何も無かったように普通を装って席を立った。
トイレの個室に入って吹き出た汗を拭う。少し休もうと、便器に座って気持ちを沈めてからトイレを後にした。
廊下に出ると佑介がいる。私は無視を決め込んで歩くと、佑介が腕を掴んできた。
「怒ってんの?」
「佑介君離してよ。美奈子に誤解されちゃうよ?」
私はわざと美奈子がいるときのように『佑介君』と呼ぶ。