I LOVE YOU
帰り道。ヒロから言われたことを思い出していた。
何故かギクッとした。だとしたら僕は知らないうちにそんなことを思っていたのかな…。
(僕、自分のことしか考えてなかった…)
戻ったら話してみよう。足を進める度に冷たい風が顔にピリピリと刺激を与える。
それを遮るように僕はマフラーに顔を埋めて、帰路を歩いていった。
「………」
何だ、これは…。
家に戻れば、テーブルの上に1枚の置き手紙。
『しばらく帰らない。byレイ』
彼女らしい文章だ。しかし何故だ。何でいきなりレイが出ていくのかさっぱりわからない。
「とりあえず、電話しよう…」
プルルル…
「…出ない…」
僕は一応メッセージを残して、彼女の友人のアイに電話を掛けた。