I LOVE YOU
翌朝、奈々は俺に謝ってきた。
「昨日は…心配かけてごめんなさい…」
深く頭を下げた後の奈々は、まだ、顔色も悪く、昨日の疲れ残っている感じだった。
しかし、俺にとって最早そんなことはどうでもよかったのだ。奈々に一体何があったのか、その理由は奈々が話すまで待つ約束だったが、俺は昨日の奈々を見てそれどころではなくなってしまった。
俺は聞いた。一体何があったんだと。けど奈々は何も答えなかった。口を開くことなく、ただ頭を振るだけだった。そして彼女は最後に、もう少しだけ待ってほしい、と言った。俺はその言葉を信じるしかなく、それ以上奈々を問いつめることはなかった。
それから月日が経つに連れて、奈々は元気を取り戻していった。あの日のようなことは一切無くなり、あの時は夢だったんじゃないか、と思うくらいだった。俺たちはまた、平凡な生活に戻りつつあったのだ。
けれど、俺はそこで知ってしまったんだ。彼女がここへ来た理由、彼女の過去を。