I LOVE YOU
待ち合わせ場所の喫茶店に着くと店の外で壁にもたれ掛かっている男性を見つけた。
俺は少しずつ近づいていきその男性に声をかけた。
「君…もしかして薫君…?」
俺が声をかけた相手はやはり佐野さんだった。佐野さんはスーツをびしっと着こなして、その上にトレンチコートを羽織っていた。それに、背が高く俺よりも倍の年齢なのに(これは勝手な想像だが…)歳を感じさせないくらいカッコよくて、まだ社会人なりたての俺と比べたら佐野さんはできる大人に見えた。
「初めまして、薫です…」
「こちらこそ初めまして…」
お互い挨拶を済ませると、中に入ろうか、と佐野さんに促され俺たちは店の中へ入っていった。