I LOVE YOU
バレンタイン当日
レイからの連絡は一切こないままこの日を迎えた。
バイトから帰って1人寂しく夕飯をとっていた夜8時。
――ガチャガチャ…
玄関から鍵を開ける音がする。もしかして、という期待と少しの不安を同時に感じながら、僕はリビングのドアを開けた。
真っ直ぐつづいた廊下の先には玄関。電気を点けるとそこにはレイの姿。
「……ただいま…」
「……お、お帰り、なさい…」
レイはクスッと笑うと、こっちへ歩いてきた。
「レイ、話したいことがあるんだ…」
レイは僕を見上げて静かに頷いた。
2人でリビングに移動し、僕がソファーに腰を下ろすと、レイも隣に座った。
「レイ、ごめん。僕、愛を感じないとか偉そうなこと言ってたけど、僕は心のどっかで君を信じていなかった。だから、君が家を出たときそれが原因じゃないかと思って…。
そうだとしたら謝る。本当にごめん…」