強く生きろと、君は言った
「では、もって三十年のその体を、無期的に休ませてあげたわたくしの立場上、おはようのキスをしてあげましょう」


「甘んじで受ける」


 詩絵理は黙って女王の接吻を受けた。


「さあ、詩絵理・ミリオン・ミューズナンバースリー。さっそくですが仕事です。トーマス・エジソンは知っていますね」


 詩絵理の額で空間プリズムの結晶体が輝いた。


「ああ。二十世紀の三大科学者の一人。天性の空気性で、電灯・蓄音器などを開発した……あなたのその霊感を借りた大天才だ」


「その彼が過去において苦しめられています」



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