【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
Prologue
渋谷のある場所。平日でも人混みが激しい。
そんな渋谷が、今日は更に人混みを増していた。
「飛鳥!私達も行ってみよう!」
有名私立中学のセーラー服を着た親友が、同じ物を着た私の制服の袖を引っ張る。
人混みに飛び込み、その人混みを造る正体を確かめる。
その人の塊の先には、黒いロリータに身を包んだ、一人の子。
金髪のロングの髪の毛に、小さな帽子が付いたカチューシャを着けている。
黒と白のレースの入り乱れたロリータの服。白黒のボーダーのタイツに黒光りする靴。
白い肌に生えるダークなメイクは、大きな目を引き立てていた。