【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「…………明日。」
そして、一瞬静かになったかと思うと、めちゃくちゃ小さな声で何か言う。
「何?この距離で聞こえないとかどんだけ。」
「煩い。…だから、明日、開けといてって言ったの。PVのお礼、まだ、出来てない、から。」
まさかこの悪魔から『お礼』だなんて言葉を聞けるとは思えず、私は目をくわっと見開く。
「マヌケな顔。…じゃ、明日九時半。」
濁った瞳の色は変わることなく漆黒を刻む。
その目が少し細まり、私の髪の毛を意外と骨張った手がぐしゃっと掻き乱すと、ヤスはさっさと私の部屋から出て行った。
そして、一瞬静かになったかと思うと、めちゃくちゃ小さな声で何か言う。
「何?この距離で聞こえないとかどんだけ。」
「煩い。…だから、明日、開けといてって言ったの。PVのお礼、まだ、出来てない、から。」
まさかこの悪魔から『お礼』だなんて言葉を聞けるとは思えず、私は目をくわっと見開く。
「マヌケな顔。…じゃ、明日九時半。」
濁った瞳の色は変わることなく漆黒を刻む。
その目が少し細まり、私の髪の毛を意外と骨張った手がぐしゃっと掻き乱すと、ヤスはさっさと私の部屋から出て行った。