【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
翌日。



ヤスとの約束でオシャレだなんて馬鹿げていると思い、カーキ色のブラウスにチェックの踝丈のソフトプリーツスカートというシンプルなアイテムで部屋を出る。



私の部屋の前には既にヤスが待っていた。



………いや、でも、その。



「何、その格好。」



私は目の前で不機嫌そうにするヤスに対し、目をしぱしぱさせながら尋ねる。



「何って、いつもの木酪泰則でお前と歩いて同級生に会ってな。月曜から地味ダサカップル成立しちゃうけど。」



「いや、そりゃそうだけど…。」



だからって、その格好は一体何なんだ。
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