【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
電車で数十分。着いた先は原宿。



「メインの時間まで付き合って。」



その華やかな道にあまりにも溶け込んだ派手なヤスを私は眼鏡越しに睨む。



「お礼は?」



「だからそれは夕方から。それまであんたは黙って俺の買い物に付き合えばいい。」



そう言って竹下通りをすたすた歩くヤス。



「なんで私が、あんたの買い物に付き合わなきゃいけないの?」



「文句言うな。その文句ばっかり出る唇、塞ぐよ。」



その言葉の意味に私は身震いしてしまう。無論、悪寒的な意味で。
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