【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「優斗は?」



「さっきプレスルームから帰って来たんで奥にいますよー。あ、いらっしゃいませ!」



店員はヤスに答えると、他の客の接客へと走っていく。



「何、兄貴の店の店員って、あんたのこと知ってんだ。」



「優斗の友達って認識でね。まさか言うわけないじゃん、色々。」



そりゃそうだ。いくら兄貴の店の関係者とはいえ、ヤスをきららだと言ったら、外部に漏れる可能性が上がる。



なんて店内をぐるりと見ながら思っていると、ヤスはレジの向こうの扉へ歩き出す。



私もその華奢な身体にが扉の向こうに行く前に続いた。
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