【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「優斗、その仕事が終わったらここまで車で連れてけ。ついでにこの荷物、家まで届けといて。」



小汚い可哀相でウザい兄貴に対して、ヤスは容赦ない。



「えええ!俺、タクシーと配達員代わり?…いえ、何でもないです喜んで引き受けます。」



後ろ側からはヤスの表情は窺えないが、多分あの濁った漆黒の目が有無を言わせないのだろう。



「とりあえず商品見て行ってあげるから、その間に仕事終わらせてよね。」



「へーい。」



ヤスは尋常じゃない荷物を汚らしさ部屋に置くと、足取り軽やかに店内に戻る。



逆に兄貴はさっき以上にぐったりしていた。
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