【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
二人を待つ間することもなく、私は掃除をする羽目になった。



兄貴は仕事に集中すると目の前が見えなくなってしまうから、お母さんと二人で部屋を…なんてことも珍しくない。



「たまにここにも片付けに来てくれると助かるなー。」



「時給五千円なら来てやらないでもないけど。」



私が冷たく返すと、兄貴はまたウザい顔でしょぼくれて仕事に戻った。



掃除の休憩がてら店内のヤスの様子を見ると、外国のセレブみたいにガサガサ買い物をしている。



やっぱりその姿は異様で、なんかムカつく。
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