【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「え…ここ?」



私は自分の目の前にあるものを凝視して言葉を漏らす。



「うん。早く降りてよ。」



ヤスはそことは似つかわしくないその派手派手な服装で歩いていく。



………そこは、所謂高級ホテル。



何十階あるの、と思うような高さの、いかにも金持ちが泊まるようなそんなところだ。



ロビーに入ると、私とヤスだけ、他の雑誌から切り抜いたものを貼付けたように浮いている。



フロントも私達を訝るように見ていた。
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