【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
長くて白くて、細いけど骨張った私とは違う造りのその指が、私の鎖骨に触れた。



「ひ………あ!」



「マジ、堪んねえ。あんたって感度高いよね。」



せめてもの抵抗に、涙で潤んだ目で精一杯睨むと、ヤスの唇が左に上がる。



「それ、煽ってんの?逆効果だけどね。」



「な…っ!や、だぁ!」



その抵抗は虚しく、ヤスは器用にシャツのボタンを外すと、唇で地図を描くように、滑らかに下へ降下する。



このまま、このまま流されちゃったら………!



なんて、ヤスが与える快楽の波から逃れる方法ばかりを考えていると、部屋にインターフォンの音が響いた。
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