【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「…思ってない、くせに。」



「思ってるよ?ほら、アスカはこんなに綺麗だ。」



私がヤスの言葉に対して睨みを利かせると、ヤスはクスリと笑い、私の顔目掛けて手を伸ばす。



「白い肌、ピンクの唇、意思の強そうな瞳。アスカは、俺とは違う可愛くて、綺麗な生き物だ。」



そんな歯の浮くような台詞を、眼鏡に手をかけながら言うヤス。



眼鏡外されることは嫌いなのに、私は動くことが出来なかった。



だって、ヤスの顔は、涙を流してないのに、泣いていたから。



そう、感じたから。
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