【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
人気歌手に×××
結局、あの後話すことも出来ず、気まずい空気の中、一晩過ごした。
キングサイズのベッドだったから、二人で寝ても互いに触れることもない。
ヤスの過去なんだから、私が気にすることはない。
……頭では分かっているのに、心がそれを許さない。
どうしてだろう。大嫌いなはずなのに、今、私の頭の中は、ヤスが涙を流さず泣いているあの顔が、占領しきっている。
しきって、いるんだ。どうしようもないくらい。