【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
うちにつくと、珍しく誰もいなくて、私が家の鍵を開ける。



「そういえばおばさん、今日同窓会だって言ってたな。」



ヤスが静かなうちの玄関でボソッと呟いた。



しかも、それは私は知らないことだ。



娘を差し置いて居候に言うって一体どういうことだ。



そんなことを思いながら靴を脱いでると、前にいたヤスの動きが止まる。



「何?邪魔、なんだけ……ど。」



私はそんなヤスにそんな言葉を投げかけて顔を上げる。



すると、奴の濁った漆黒の瞳と視線がぶつかる。
< 146 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop